産業分野における計測·制御システムのソリューション

摘要

装置産業分野は1980年代の半ばから1990年代の初めにかけて, 右肩上がりの経済成長を背景に，設備増強に伴った監視制御システムの新規導入を積極的に行った。 一方, デジタル技術の発展に伴い，各計装メーカーから本格的DCS（Distributed ControI System）が市場に投入され，効率化や省力化を目的とした，自動化及びCRT（ブラウン管）オペレーション化を含む計器室統合による操業が主流となった。 この時代から既に約20年が経過し，当時のDCSも製品寿命を迎えつつあり，各社から製造中止や保守中止が報告されている。この状況から，ユーザーもメーカーも本格的DCS更新に対して共通の問題意識を持ち，具体的な対策を検討してきている。 設備の機器寿命は40年程度とDCSの2倍以上あり，DCS更新後も操業及び制御の方法は継続するケースがほとんどである。 一方, 当時中核であった運転員や計装エンジニアは, 定年時期にあるケースや既にリタイアしているケースが少なくない。 また，DCS更新に際し，生産効率の面から, 設備停止期間を極力短くする要求が一段と強くなっている。 このため，よりいっそう既存の資産を有効かつ十分に利用した，最短期間でのシステム更新が求められている。