2.'IT時代のX線検出器'--FPD: Flat Panel Detector

摘要

現行の×線検査は,胸などの静止画用にはX線フイルムを，胃のバリウム検査や血管検査などの動画用にはl.1（注1）を使って行われています。 フイルムの欠点は，現像をするまでに時間が掛かる（結果がすぐわからない）ことや，デジタル化が難しいことで，病院内の汀（情報技術）化には不向きな検出器です。また，1.1の欠点は，真空管であることによる大容積，曲面の入力面による画像ひずみ，丸い視野，解像度が低い，という点です（図1（a））。 これに対して新しい検出器では，液晶ディスプレイ（LCD）に利用されているTFT（注2）を利用して，平面状の薄い形状で亨　 従来の検出器を大幅に上回る性能が実現できます。 この平面状の形状から，この検出器はFPD（FlatPanelDetector）と呼ばれます。 FPDに入射した×線は，×緑変換部（アモルファスセレン：a－Se）で電荷に変換され，各画素ごとに設置された蓄積容量にいったん保存されます。 その後，TFTが順次ONすることによって，外部に電気信号として取り出されます（図1（b）（c））。