Using the frontal branch of the superficial temporal artery as a landmark for locating the course of the temporal branch of the facial nerve during rhytidectomy: an anatomical study-除数術での顔面神経側頭枝走行の局在標識としての浅側頭動脈前頭枝の利觀

摘要

以前の研究では,浅側頭動脈前頭枝が顔面神経側頭枝の走行を検出するのに利用できることが示唆されてはいたが,この関係を立証できたわけではなかった.本研究の目的は,側頭部において前頭枝と側頭枝の走行を完全に調査して,その関係を詳細に記述することである.除妓術において側頭枝を損傷しないような手術手技についても論述する. 10例の成人死体と5例の新鮮死体において30の側頭頭頂部を解剖し研究した. 20の片側頭部血管鋳型標本も観察した.浅側頭動脈の2分岐部が上限宿縁の水平線より上にあるか下にあるかに従って,前頭枝を上局在型と下局在型とに分類できた.側頭枝とその終末細枝は浅側頭筋膜に深く走行し,上局在型では前頭.枝より下方にある.下局在型では, 1枝以上の側頭枝の終末細枝は上限寓緑の水平面より上方で前頭枝と織り合っており,前頭隆起下に終末している.頬骨弓の下部,前頭枝,前頭隆起の最高部と交差する垂線とで作られた三角領域内に顔面神経側頭枝は局在する.浅側頭動脈前頭枝は除級術において顔面神経側頭枝を局在し防御するために用いられる解剖学的標識になりうる.