自動車燃料、品質競争時代へ

摘要

硫費分10ppm（0.001％）以下のサルファーフリー·ガソリンと軽油が来年早々から市場に出回る。自動車メーカーがNOxやCO_2排出量の新長期規制達成可能な自動車を市場投入するのを促すためだ。自動車燃料のサルファーフリー化には二つの大きな効果がある。ガソリン車の場合には燃費向上とCO_2排出量削減が可能となり、ディーゼル車の場合にはNOxだけでなく浮遊粒子状物質（SPM）や煤などの排出ガス抑制に役立つ。 石油業界は2003年4月にサルファーフリー自動車燃料の供給開始可能時期を表明、ガソリンと軽油の部分供給を2005年に開始し、ガソリンは2008年、軽油は2007年から全面供給することを明らかにした。 脱硫装置の新増設や新たな触媒の導入には追加投資を伴い、設備や生産工程、調達原油が元売によっても製油所によっても違うから、対応はいろいろである。しかし、技術的な目途はすでについているので、来年早々に全面供給に前倒しで踏み切る元売も現れそうだ。 ただ、製品の相互融通がグループを超えて広く実施されているので、物流協力相手の傘下製油所もサルファーフリー燃料の供給可能な体制が整わないと全国一斉供給は難しい。 自動車燃料の品質改善競争は次第に本格化しており、自動車メーカーの対策車開発が進めば、地球環境改善効果は大きい。自動車燃料はいよいよ品質競争時代に突入する。