中国のチタン産業及び合金開発の動向（前編）

摘要

中国はTiO_2換算で約3兆5，000億トンのチタン鉱石資源を有していると推定されており，これほ全世界の合計量の約半分に相当する。中国のスポンジチタン生産能力は，2007年末で約6万トンであり全世界の約30％を占めている。また2010年の生産能力は約10万トンと推定されておりこれほ全世界の37％と三分の一強を占めることになる1ト3）。因みに2007年の日本のスポンジチタンの生産能力は約4万トンであり3），生産能力の上では今や中国の方が上位にある。また2007年の6月に京都で開催された第11回チタン世界会議での中国の発表件数は55件であり，これは日本145件，米国64件に次いで世界で3番目の順位である4）。中国のチタン関連の研究者の数も，日本，米国，欧州諸国とは比較にならないほどの桁外れの多さを誇る。