採石業の労災保険財政の現状--平成21年度労災保険率改定における「石灰石鉱業］との比較を中心に

摘要

これまでにみてきた採石業と石灰石鉱業の比較から、保険財政の面から以下のことがわかります。 （1）保険収入の面：（1）近年の経済状況の悪化に伴い、採石業、石灰石鉱業とも適用事業場·労働者数とも減少していますが、特に採石業で大幅に減少していること。 ②保険の財源であるところの保険料の収納状況が石灰石鉱業では全業種平均を上回る高い収納率であるのに対し、採石業では全業種平均を14.8ポイント下回り低率となっていること。 （2）保険給付の面：保険料率の決定に大きな影響のある年金等給付、をかでも新規年金受給者数の状況をみると、「平成17～19年皮平均」で、「平成14～16年度平均」に対し、採石業が16.7％の減少に対し、石灰石鉱業では38.5％と大幅に減少したこと。