Tectonomagmatic Controls on Porphyry and Epithermal Mineralization in the Central Andes

摘要

南米中央アンデスの斑岩銅鉱床·浅熱水性金鉱床の成因を考える上で出発点となるのが，マントル·ウェッジにおけるスラブ（海洋地殻）の脱水とその結果水和したマントル物質（アセノスフェア）の部分溶融である。 Primary arc magmaが交代されたマントル·ウェッジの部分溶融により生成されるが，このマグマは酸化的環境にあり，揮発性成分（H_2O，S，Cl）に富み，incompatible elements（イオン半径の大きい親石元素）及び金属に富む。 プライマリー·メルトは高Mg玄武岩質で1.2～2.5％H_2Oを含み，酸化的環境でSに富んでおり（最大3，000ppm），これが斑岩銅鉱床と関係してくる。 Primary arc magma中の親銅元素と親鉄元素（Cu，Au，PGE）の量は，マントルの硫化物相の安定性と量により決まるが，硫化物相は部分溶融が繰り返されたり硫酸塩相へ酸化されることにより壊される。親銅元素及び親鉄元素のマグマ（珪酸塩メルト）と硫化物相への分配を考えると，Cuに富んだマグマはマントル起源のSが0.1wt％程度存在しても生成されるが，Auに富んだマグマは硫化物が1ppm以下にならないと生成されない。 ここで，斑岩銅鉱床生成のポテンシャルを持つマグマと，アルカリ岩に伴う金鉱床生成のポテンシャルを持つマグマの生成環境が分かれてくる。