北海道豊羽Ag－Pb－Zn鉱床周辺湯ノ沢および長門沢における熱水性石英の流体包有物と酸素同位体比

摘要

熱水性石英の初生包有物の均質化温度は，それぞれ173-178℃（湯ノ沢-白井川会合部），204-251℃（湯ノ沢中流噴気帯 ─瑜?52－265℃（長門沢）である。 熱水の沸騰の徴候が見られる試料では，その均質化温度の最低温度を，それ以外の試料では均質化温度の平均値を石英の生成温度と考える。 その結果石英の生成温度はそれぞれ173℃（湯ノ沢-白井川会合部），241℃（湯ノ沢中流噴気帯 ─瑜?57-219℃（長門沢）である。 生成温度は湯ノ沢-白井川会合部および長門沢では概して低い。 一方，NaCl相当塩濃度はそれぞれ6.1-6.7wt％（湯ノ沢-白井川会合部），0.9－1.1Wt%(湯ノ沢中流噴気帯 ─瑜?-1.3wt％（長門沢）である。 湯ノ沢-白井川会合部，および長門沢の石英の生成夜度（熱水の沸騰深度）は，静水圧を仮定した場合，それぞれ古池下水面から75－79mおよび130mである。