イチゴの底面給水による雨よけ高設ベンチ育苗「ノンシャワー育苗」

摘要

イチゴの育苗時期は、夏期の高温時期を経過することから病害の発生も多く、イチゴ生産の不安定要素になっている。 炭そ病の発生は、降雨との関係が指摘され、岐阜県では雨よけビニールハウスでの育苗が生産者の約9割で行なわれている。 さらに萎黄病などの土壌伝染性病害を回避し、作業姿勢を改善するため雨よけでの高設ベンチ育苗や隔離育苗は、約6割に普及している。 しかし、最も施設化された雨よけ高設ベンチ育苗においても、いまだ炭そ病が散見され、完全な発病防止には至っていない。 これは、雨よけしながらも潅水方法が従来通りの頭上潅水であり、育苗中の株間が狭く風通しが悪く、炭そ病に好適な高温多湿な環境となっていることが原因である。 そこで潅水方法を底面給水とし、頭上から潅水をせず、株が濡れない育苗方法「ノンシャワー育苗」を開発した。