セロトニン2A受容体およびトランスポーターの遺伝子多型とオランザピンの臨床効果-病院地域精神医学における抗精神病薬併用者の現状-

摘要

要約：今回われわれは，テーラーメイド医療の一助として，ドーパミンのみならずセロトニン受容体にも親和性を持つ非定型抗精神病薬オランザピンの投与患者31人を対象に，多剤併用での治療効果と5-HT2A受容体の主な遺伝子多型(A-1438G）および5-HTTの遺伝子多型（s/l）との相関について調査した．5-HT2ARの遺伝子多型については，陽性症状において，G／G群はA遺伝子を持っ　G4周とA／G）群に比べてPANSS positive syndrome score得点差で有意な改善傾向を示した．本研究結果を，病院地域精神医学的に，単剤では精神運動興奮などが．改善されずにやむなく多剤併用せざるを得ない患者でのオランザピンの薬理効果を予測する一助としたい．