消化器核医学

摘要

消化器核医学のうちとくに肝臓,門脈循環,消化管について述べた.肝臓では放射性コロイドによる肝シンチグラフィがび漫性肝疾患の診断,経過観察に有用で,この面での活用が望まれる.そのほか,~(99m)Tc-GSAによる肝機能予備能の評価がある.肝胆道系では~(99m)Tc-PMTが用いられ,本来の肝胆道糸イメージング以外に肝腫瘍や転移の質的診断にも有用である.門脈循環ではRIの投与経路から経牌,経直腸,経口,静注の各方法がある.消化管運動の評価ではgastric emptmg timeがよく知られているが,食道シンチグラフィのコンピュータ処理画像であるcondensed imageは食道の運動機能や胃.食道逆流の定性的,定量的診断に有用と考えられる.そのほか,大腸運動機能の評価法もあり,今後の発展が望まれる.また,蛋白漏出性胃腸症の診断にシンチグラフィによる蛋白漏出のイメージングが可能である.