急性膵炎の診療ガイドライン ガイドラインの解説と問題点

摘要

平成15年7月に日本腹部救急医学会,日本膵臓学会,厚生労働省特定疾患対策研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班から,「エビデンスに基づいた急性腸炎の診療ガイドライン」が公表された。 本稿においては,当ガイドライン作成の基本姿勢と基準,疫学,基本的治療方針,診断,重症度診断,治療などについてその概要を解説したo　 また推奨内容の一部を紹介·解説するとともに,その内容の吟味を加えつつエビデンスの不充分さゆえの未確定要素を指摘するとともに,その視点から日本国内から提案していくべき臨床研究内容を示唆することにも努めた。 急性膵炎はしばしば救急疾患であること,重症化例が多いこと,などから個別化治療が特に推奨されるべき病態を呈するだけに,ガイドラインの利用のされ方については慎重であるべきことについても具体的な解説の中で,そこへの理解を深めることが如何に医療に大切であるかについての示唆にも努めた。