着色非球面+2.5 D近方加入多焦点眼内レンズSN6AD2 (SV25T0)の臨床試験成績

摘要

目的：白内障手術後の無水晶体眼に遠方焦点側への光エネルギー配分を増やし，近方焦点距離を50cmとし た回折型多焦点眼内レンズを挿入し，安全性と有効性を 検討する.対象と方法：射象は20歳以上の両眼性白内障で，本 試験目的を十分説明し同意の得られた64例128眼（男性 23例，女性41例.年齢は平均値±標準偏差：66.7±7.2 歳）であった.眼内レンズは近方+ 2.5D加入のSN6AD2 (アルコン社）で，挿入後1年まで遠方，lm， 50 cm, 40 cm視力検査，および見え方についてアンケー卜調査を 行った.結果：術後1年における両眼での平均logarithmic minimum angle of resolution (logMAR)視力は，裸眼-0.09(5 m), 0.01(lm), 0.07(50 cm), 0.18(40 cm), 遠方矯正下0.01(1m), 0.08(50 cm), 0.19(40 cm),最 良矯正—0.17(5 m)， 0.00 (50 cm),グレアは軽度17.5 %,中等度4.8%，ハローは軽度19.0%，中等度4.80/0 であった.結論：+2.5D近方加入多焦点眼内レンズは，良好 な遠方から中間距離の視力を保ちつつ，単焦点眼内レン ズょり良好な近方視力が得られ，新たな多焦点眼内レン ズの選択肢になると思われた.