早期胃癌切除例の予後因子からみた術後補助化学療法の適応因子

摘要

早期胃癌切除例の予後は良好である"が，1.4-2.8%で再発が認められる.再発のもっとも重要な危険因子はリンパ節転移であり2气リンパ節転移陽性例における再発は7-20%と比較的高率であるト5). ACTS-GC試験6)の結果，D2郭清を伴う根治手術の行われたstage n/m胃癌症例に対しては術後補助療法としてS-1投与が標準治療となったが，本試験では早期胃癌（pTl：深達度m-sm)症例は除外されており，pTl例に対する術後補助療法の効果については疑問視されている".しかし，pTlと診断された胃癌症例でも進行癌同様の遠隔転移や再発が報告されており8-""，早期胃癌症例の中にも術後化学療法で予後を改善できるグループがあると考えられるが, その詳細は明らかではない.