自家末梢血幹細胞移植療法後にBrugada症候群を合併した急性骨髄性白血病

摘要

Brugada症候群は1992年に初めて報告され，器質的心疾患がなく非発作時の心電図で右脚ブロック様の波形とV1－3誘導でのST上昇を認め，心室細動発作等による突然死が多いことで知られる。 今回，われわれは自家末梢血幹細胞移植療法（autologous peripheral blood stem cell transplantation：ABSCT）後にBrugada症候群とそれによる失神発作を合併した1例を経験したので報告する。 ≈⒗颊撸?4歳，男性。 　 主訴：なし（ABSCT目的）。 　 既往歴：62歳時，高血圧。 　 現病歴：2003年1月下旬から腰痛，感冒様症状，38℃の発熱を認め2月7日当院を受診し入院となった。 急性骨髄性白血病（FAB M5b）と診断し寛解導入療法（idarubicin＋cytarabine）を行い，3月10日完全寛解となった。 地固め療法を2回（mitoxantrone＋cytarabine，etoposide＋cytarabine）行い回復期に自家末梢血幹細胞を採取した。7月23日ABSCT併用大量化学療法目的で再入院となった。