瀘胞性リンパ腫の標準治療とresearch questions

摘要

濾胞性リンパ腫は，進行が年単位のいわゆるィンドレ ントリンパ腫の代表的な病型で，欧米では全リンパ腫の約20%を占める。欧米と比較し，本邦での濾胞性リン パ腫の頻度は低いとされてきたが，近年増加傾向にあ る。その臨床経過は様々で，経過観察中に自然退縮する， あるいは病変を有しても無症状で，長期間無治療でも支 障が無い症例が存在する一方，化学療法を実施しても早 期に再発を繰り返して治療抵抗性となったり，経過中に 進行の早いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に病理組織学的に転換して，致死的な転帰をとる症例も存在す る。rituximab臨床導入前，化学療法の生存に対する寄 与は明確では無く， rituximab導入後も充分に成熟した デ一タに乏しく，治療方針決定はいまだに大きな課題で ある。