免疫不全症候群　疾患原因遺伝子の解明

摘要

近年.先天性免疫不全症の種々の病型で病因遺伝子がつぎつぎと解明されてきている.これらを通して,一方では診断·治療に応用され,他方では生体におけるこれらの遺伝子のコードする蛋白の機能が解明され,生体機能のあらたな解明につながっている.免疫不全症候群は,①先天性(原発性),②続発性,および,③後天性(いわゆるAIDS)に分けられるが,このうち先天性(原発性)のものに関し,近年めざましい勢いで病因遺伝子が解明されてきている.さらに,これらの解明をもとに診断·治療など臨床への応用も検討されてきている.