「心房細動治療（薬物）ガイドライン2008」をふまえた発作性心房細動の治療シベンゾリンとプロパフユノンの使い分け

摘要

わが国において心房細動をもつ患者は，日本循環器学会疫学調査1）から得られた有病率を2005年の日本の人口に当てはめると71．6万人（0．56％）と推定される。欧米の有病率と比べると低く，米国の2／3（米国では全国民の0．89％）にあたる。心房細動は高齢社会と共に増加している不整脈であり，2050年には約103万人に達すると考えられている。しかし，疫学調査で横断的に発作性心房細動を検出するのは困難であり，発作性心房細動の多くは検出されていないであろう。この点を考慮すると，発作性心房細動を含む心房細動の有病率はかなり大きいことが予測される。