蛋白質の質量分析(1 )磁場型質量分析装置とその応用

摘要

磁場型質量分析装置は,多種多様な生体分子の構造解析に最も頻繁に利用されてきた.一般に,構造解析にはMS/MS法が不可欠である.磁場型装置では,高加速した試料イオンをターゲットガスと衝突·励起·開裂させて行なう,高エネルギー衝突活性化開裂法が可能であるので,構造解析にきわめて有用である.たとえば,ペプチドのアミノ酸配列解析では,残基質量がまったく同じLeuとIleの区別が可能であり,また,不飽和脂肪酸では二重結合位置の決定を行なうことができる.高エネルギー衝突活性化開裂法から得られる構造情矧ま,未知生体分子の構造解析において重要であり,磁場型質量分析装置の大きな特長ともいえる.