左腎部，左大腿部に生じた片側性Darier病の1例

摘要

43歳，男性．受診3か月前より左官部，左大腿部後面に瘙痒を伴う紅色丘疹，角化性紅斑が出現，ステロイドを外用するも軽快せず徐々に増悪した．検鏡でカンジグ陽性で抗真菌薬を外用したが増悪し，さらにステロイドを外用したが変化がなかった．病理組織学的に不全角化を伴う角層の肥厚，異常角化細胞の集簇,基底層の棘融解，真皮上層のリンパ球を中心とする炎症細胞浸潤がみられ，Darier病と診断した．高濃度夕かレシトール軟膏外用で角化性局面は平坦化したものの紅斑は残存し，瘙痒が強いため，ウルトラパルスCO_2レーザーにて蒸散術を行った．蒸散部位は瘢痕化し瘙痒も軽減した．再発は認められない．