中小病院経営2夫婦での継承

摘要

父が，高齢者のための病院を開設したのは，筆者が大学6年生のときである.大学入学時より小児科 医になることを決めていた筆者には，事業継承の気持ちは全くなかった.しかし，1996年，夫のァメリ力留学時に義母が脳梗塞で倒れ，その状態がある程度落ち着くまでの約1力月間，筆者は父の経営する介護老人保健施設で働くことになつた.重度の寝たきりになってしまった義母とその介護者である義父 の様子から高齢者医療の乏しさを感じ，一方で，父の病院や施設では若い医療スタッフが高齢者のために一生懸命働いているにもかかわらず，そのリーダーとなるべき医師力s確保できずに困っている現状を みて，沖繩に戻る決心をした.事業継承という意識はなかったが，夫の研修終了後，筆者は施設長，夫は一医師として赴任した.3年目の春，病院長が急に退職した際，ほかに院長職を引き継げる医師はなぐ