起立性調節障害

摘要

起立性調節障害(OD)は起立時のふらつき,朝起き不良などを主症状とする自律神経失調症の一つであり,小児科の領域で最も頻度の多い心身症の一つである.基本的にODは身体的疾患であるが,不登校などの心理社会的問題の併存をしばしば伴い,その対応は必ずしも一様にはいかない.しかし,不定愁訴と思われる思春期の悪者に問診,起立試験などを適切に行い, ODの診断,治療を試みることは重要である.なぜなら,こうした患者の多くはプライマリ·ケア医を訪れており,ブライマリ·ケア医が悪者の身体的主訴をつらいものと受けとめて,真摯に対応することが問題解決の第一歩となり得るからである.