帯状疱疹痛·帯状疱疹後神経痛

摘要

帯状疱疹は,体内に潜伏していた水痘.帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus , VZV)が免疫力の低下などにより突然活動するものである　小児期に初発感染したときは水痘として発症するが,その後神経節,神経根に長期間潜伏していたウイルスが成人期の免疫低下時などに再活性化されると,潜伏していた神経の支配領域の皮膚に有癌性発疹を生じる,一方,帯状疱疹による疼痛(アロデイニアや痛覚過敏)の始まりは,発疹が出る前,発疹と同時,発疹発現後とどの時期にもあり得るとされている,このように,帯状疱疹はウイルスが原因であることから,近年,マウスやラットの後肢に単純ヘルペスウイルスl型(HSV-1)やVZVを経皮接種させることにより,帯状疱疹痛の動物モデルを作製し,その機序解明のための研究が行われている.