高齢者の心不全の診断は，非専門医が外来でどのように行うべきでしょうか？問診，体液貯留の見分け方，BNP値などを含めて，注 意点やコッをご教示ください.

摘要

心不全は高齢者において急増する病態であることを認識する必要があります.当然のこ とながら，高齢者では加齢性の変化に加えてさまざまな基礎心疾患の有病率も高ぐ心 機能そのものが低下しています.他臓器の機能低下や併存疾患を抱えている割合も高く，心不全を発症しやすいといえます.ADLが低下しているために本人も周囲も心不全 症状に気付きにくいことに留意し，また非特異的症状のみのケースも多いため注意深い 問診が必要です.積極的に心不全を疑い，胸部X線とBNP測定によりかなりの症例の 判別が可能と考えられます.