小児慢性疾患患者に対する医療 社会保障制度

摘要

小慢性疾患患者に対する医療·社会保障制度は，小児期は小児慢性特定疾患治療研究事業によりほとんどの医療費が助成される.しかし，満20歳を超え助成対象外となると，引き続き助成を受けられるのは血友病とごく一部の特定疾患患者，もしくは身体·知的に比較的重症な障害をもつ患者に限られる.多くの患者は継続して医療が必要であるにもかかわらす，国民平均の5倍以上の医療費を全額自己負担しており，経済的に問題を抱える者も少なくない.成人期を迎える小児慢性疾患患者への移行期支援として，これらの経済的問題を患者·家族へ伝えるとともに，患者の就業を促し安定した収入を得られるように支援すること，行政に対しては助成事業の成立が求められている.