山田業広と浅田宗伯

摘要

最近私は『温知医談』復刻版全卷を手に入れ、遅まきながら山田業広?業精父子のことに関心をもつようになった。山田業広については石原保秀氏ゃ安西安周氏が、優れた漢方臨床家として紹介し、大塚敬節先生や寺師睦宗先生が詳しくその生い立ちや業績に触れておられる。周知のごとく山田業広は明治期漢方存続運動の拠点として、明治十二年に温知社を創立し、『温知医談』を創刊し、その初代社主として活動した。業広死後、七歳年下の浅田宗伯が二代社主となった。浅田宗伯は山田業広の著書『経方弁』の序を書き、業広と宗伯はよほど近しい間柄のように見える。