部分的脾動脈塞栓術後にぺグインターフェロン·リバビリン併用療法を施行し，ウィルス学的著効が得られたC型肝硬変3例

摘要

部分的脾動脈塞栓術(partial splenic embolization ： PSE)後にぺグインターフェロン· リバビリン(PEG-IFNalpha2b/RBV)併用療法を施行し，ウィルス学的著効(sustained virological response ： SVR)が得られたC型肝硬変3例を経験した.全症例において経過中に肝細胞癌の合併を認め，ラジォ波(radiofrequency ablation ： RFA)による治療を行つた.2例は無再発生存中であるが,1例は門脈腫瘍栓を合併し，急速な癌の進展により死亡した.C型肝硬変でSVR となった場合，肝線維化は徐々に改善し，肝発癌抑制効果が期待される.しかし既に微小な癌細胞が存在することが多く ， SVR後も厳密な画像検査が必要不可欠と思われた.PSEは血小板数を著明に改善し，PEG-IFNa2b/RBV療法を完遂する上で極めて有用であった.