直腸癌局所再発に対する外科治療(手術単独治療）

摘要

直腸癌局所再発に対する治療としては，おもに外科的治療が行われてきた.しかし，これまでに報告されている局所再発の治療成績は，限られた専門施設の特定の外科医によるretrospective studyの報告がほとんどであり，系統的なprospective studyは皆無に等しい状況であった.その後，大腸癌治療ガイドライン2014年版1)およびNCCNガイドライン20142)では，局所再発に対する外科治療の適応に関する基準として,「完全切除が期待できる症例にのみ切除を考慮する」との指針が示された.一方，完全切除が不能な症例に対しては，放射線療法，身化学療法ならびに重粒子線療法が行われるが,症例に応じてbest supportivecare (BSC)も考慮される.