腹腔鏡下天蓋切除（deroofing）と遺残嚢胸壁焼灼を基本とした肝嚢胞治療

摘要

非寄生虫性肝嚢胞の頻度は4～7％で加齢とともに増加し，通常は胆管や脈管に浸潤することはなく胆管との交通もみられない．大部分の患者は無症状であるが，嚢胞内出血や破裂，感染，嚢胞による圧排，肝実質の萎縮により症状が出現し，これら有症状例には治療が必要となる．肝嚢胞に対する手術としては嚢胞の開窓術や天蓋切除（deroofing）が安全で有効であり広く行われてきた．近年，侵襲の軽減を目的とした腹腔鏡下開窓術や天蓋切除術が行われている．