1.個別化医療に向けた検査技術の標準化の展開

摘要

ファーマコゲノミクス検查やコンパ二オン診断は，生体内薬物代謝や治療反応性の評価の指標 となリ，近年，個別化医療に向けて，研究から臨床応用への展開が著しい。しかしながら，技術 の標準化の観点で測定法，測定機器?試薬，標準物質が整備されていない。その測定精度は検体 採取から試料前処理までの測定前プロセスにおける作業要因に最も大きく影響される。日本臨床 検査標準協議会では，標準的作業手順や検体品質管理法の確立を通した検査の精度向上を目的と して，実証的なデータを踏まえ，「遺伝子関連検査検体品質管理マニュアル」を策定した。検査 の適正な利用のため，「ファーマコゲノミクス検査の運用指針」，「遺伝子関連検査に関する日本 版べストプラクティス?ガイドライン」や人材育成等のソフ卜面の環境が整備されてきた。検査 技術の標準化の活動の積み重ねによリ，適正利用と普及による良質な個別化医療の推進が期待さ れる。