福岡県済生会福岡総合病院糖尿病内分泌代謝科

摘要

現在, C型肝炎ウイルス(HCV)は,慢性肝臓病の主要因であり,世界人口の約3%がC型肝炎に感染していると推定されている。 厚生労働省のC型肝炎に関する疫学研究班と日本赤十字社が協力して実施した疫学調査によると, 2000年時点における日本人のHCV抗体陽性率は約0.49%であるのに対し, 60歳以上の年齢層では約3.4%と高い値が示されている。 また,約88万人のHCVキャリアが自覚症状のないまま潜在しているとも推測されている。 HCV感染者の5割から6割は慢性肝炎から肝硬変,肝臓癌へと移行する危険性があるため,慢性肝炎として発病した場合は何らかの治療が不可欠となってくる。