かぜ治療に抗菌薬は必要か？

摘要

かぜ症候群とは急性に発症する上気道の炎症の総称であり，いわゆる急性上気道炎や急性気管支炎を指す。症状としては，鼻汁，咽頭痛がもっとも典型的であるが，気管支まで炎症が及ぶと咳，喀痰が現れ，さらに倦怠感や頭痛，発熱といった全身症状を伴うことが多い。一般にかぜ症候群の80％から90％はウイルス感染が原因とされ，残りの10％から20％を他の微生物，すなわち一般細菌や，クラミジア，マイコプラズマなどで占め，他にもアレルギーや寒冷など非感染性因子が原因となることがある。