ワークショップ1「EBMからみた不妊治療」4）一般不妊治療からARTへ

摘要

1978年のSteptoe＆Edwardsによる体外受精胚移植法（In vitro fertilization and embryo transfer：IVF－ET）の成功により，生殖補助医療（Assisted Reproductive Technology：ART）が不妊治療の選択肢に加えられた．当初はIVF－ETの適応は厳格に卵管因子に限られ，徐々に適応範囲が拡大されはしたが大きく逸脱することはなかった．ARTの流れを大きく変えたのが1993年にPalermoらにより開発された卵細胞質内精子注入法（Intracytoplasmic sperm injection：ICSI）である．ICSIの開発にともないARTの適応は卵管因子から男性因子，更には受精障害にまで拡大され，今や厳密なるARTの適応を定義することは難しくなっている．