改正臓器移植法施行後の移植ネットワークシステムの体制構築

摘要

1997年10月に臓器の移植に関する法律（以下，臓器移植法）が施行され，これまでに86例の脳死下臓器提供事例より374件のレシピエントが心臓，肺，肝臓，滕臓，腎臓，小腸が移植を受けるに至っている(2010年4月末現在）（表1)。一方で，1995年4月の日本腎臓移植ネットワーク（現：日本臓器移植ネットワーク）の発足以来，心停止後腎臓提供事例は1,270 例に至っている（2010年3月末現在）（図1)。 2009年7月13日に臓器移植法の改正A案が参議院で可決·成立し，7月17日に公布された。主な改正点は，本人の意思表示が不明であつても家族の承諾で脳死下臓器提供が可能となったこと等であり，2010 年7月17日に施行される