救急安心センターモデル事業について

摘要

近年，救急出場件数が大幅に増加しているが，この中には救急要請すべきか迷った場合に119番通報されているものも含まれている.消防庁では，このような住民の救急相談に応える窓口の全国的な展開に向け.愛知県，奈良県および大阪市の3 地域でモデル事業を実施している.本稿では，モデル事業の実施状況を解説するとともに，全国展開に向けた課題を指摘する.近年，救急出場件数が大幅に増加している. 増加の要因としては，少子高齢化社会の進展， 核家族化の進行，住民意識の変化などがあげられるが，これらの要因のほかに，救急要請をすべきか，病院へ行くべきか否かの判断に迷った場合に119番通報するケースも相当数のぼると考えられている.