下腿の難治性潰瘍·皮膚欠損に対する皮弁移植術

摘要

下腿は，下肢の中でも末梢にあるため，加齢や生活習慣病に伴って生じる動脈病変ゃ静脈瘤など，血管の劣化が顕在化しやすく，重 力のため元来うつ血を来たしやすい。また， 皮弁挙上可能な部位や大きさが限られること から，皮弁移植術にとっても不利な条件が重なる領域である。このため，下腿の難治性漬 瘍ゃ皮膚欠損に対する皮弁移植術は各皮弁の適否や血行面の評価など，十分な術前計画に基づいて慎重に行うこと力重要である。本稿では，皮弁移植術の適応，各種の利用可能な皮弁について解説したのち，代表的症例を供覧する。