Warfarin治療域上限からみた 簡易型プロ卜ロンビン時間測定装置の有用性

摘要

Warfarinを代表とするビタミンKアンタゴニ スト製剤は，現代においても使用頻度の高い主要 な抗凝固薬である.Warfarinによる経口抗凝固 療法は，血栓塞栓症を予防するため，人工弁置換 術後や心房細動既往のある患者に対して行われて おり，その患者数はわが国における医療技術の進 歩や超高齢化社会の到来に伴い増加の一途をたど ると予測されている.Warfarin療法の効果判定 には，プロトロンビン時間国際標準比(prothrombin time-mternational normalized ratio ： PT-INR)のモニタリングが有用であり，人工弁 置換術後や心房細動例ではPT-INRを2.0?3.0 の範囲に維持すること力が推奨されているこれ らの治療域を超えると出血関連合併症の発症率が 高まることから，PT-INRの定期的な評価が必 要となるカ气血液凝固検査を外注に頼っている中 小規模医院は，迅速なwarfarin調節ができない 環境にあった.