成人内反肘変形に対するreverse V osteotomy

摘要

Reverse V osteotomyはYunらの報告した内反肘変形に対する上腕骨のmodified step-cut osteotomyである. Yunらの報告，また本邦での追試もすベて小児例であり，成人に対する本法の報告はまだない.今回成人2例に対しreverse V osteotomyを行い良好な成績が得られたので報告する.まず肘頭窩の5-10mm近位を通るlateral supracondylar humeral ridgeに垂直の線ABを引く. ABC角を矯正角度とし，ACB角を90°とするとС点が決まる. この直角三角形ABCを取り除いた後，上腕骨遠位骨片を回転し内側へ移動し，三角形の頂点A点がС点と合うようにはめ込む.С点の決め方は，上腕骨の骨軸と前腕骨の骨軸が交叉するX点がちようど肘頭窩の中心にくるように決める.これが外側へいけば遠位骨片は外側に，内側へいけば遠位骨片は内側に移動する.つまり近位上腕骨の残すlateral spikeの大きさによってX点はかわり，上腕骨外顆の突出を調節することが可能である.