開腹術による腹腔内癒着症例に対する単孔式腹腔鏡下人工肛門造設術の経験

摘要

単孔式腹腔鏡下手術は，整容性や秘匿性といつた利点から需要も多くなり急速に拡大している。今回われわれは，それらの利点を主として活用するのではなく，少しでも手術時の危険性や術後合併症を回避する目的での単孔式腹腔鏡下手術を人ェ肛門造設術に応用したので報告する。患者：87歲，女性。主訴：下腹部痛，便秘。既往歴：胆囊炎で開腹胆囊摘出術(数十年前)， 進行直腸癌で開腹低位前方直腸切除術(86歳)。現病歴：便秘ならびに肛門痛の訴えで来院。血便とィレウス症状を呈していたため精査ならびに加療目的に入院となる。