内視鏡下手術の基礎理論から考える腹腔鏡下大腸切除術の習得

摘要

大腸癌に対する腹腔鏡下手術は1991年に最初に報告され,その後も諸家らによってその有用性が報告されてきた.本邦でも1993年に最初の腹腔鏡下大腸癌手術が報告されて以来急速に普及しつつある.一方,腹腔鏡下大腸切除術の手技習得においては,症例数やトレーニングシステムが充実しているとは言いがたく,なかなか短期間での技術習得ができないのが現状である.腹腔鏡下大腸切除術に限らず,腹腔鏡下手術手技を習得するためには内視鏡下手術の特性や開腹手術との相違点を理解してトレーニングを行うことが重要である.ここでは我々が普段,当院や動物モデルを用いた技術習得セミナーで実践しているトレーニング法について紹介する.