深部骨盤底手術操作における会陰部圧排挙上器使用の留意点とコツ

摘要

近年，直腸癌に対し器械吻合法の進歩とQOLを考慮し，自然月工門を温存する低位前方切除術が普及している。 また，より低位の直腸癌に対し超低位前方切除術や，腹腔鏡補助下の低位前方切除術も盛んに行われている。 さらに最近ではさらなる肛門機能温存術式である内括約筋切除術（intrashincter resection；ISR）も行われてきている。 しかし，いかなる術式においても癌占居部位が下部になればなるほど，また，腫瘍が大きくなればなるほど，加えて骨盤腔が狭くなればなるほど深部骨盤底における手術操作は困難となる。