肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法本邦におはる同治療法実施状況とその工夫

摘要

本邦におけるIVRの開発および普及の原点は肝細胞癌（こHCC）に対する肝動脈塞栓療法（transcatheterarterialembolization：TAE）にあると私は考えている．1980年代初め．同疾患は日本の三大悪性腫瘍の一つであり　 HCCに対する何らかの治療法の開発が日本人に課せられた重要な課題の一つであつた．1983年,本邦IVR学会の育ての親の一人である山田龍作教授がRadiologyに同疾患に対するTAE成績を発表なさった.この論文は日本人を勇気づけ,本邦におけるIVR発展．普及の起爆剤となったものと考えられる．