簡易脳波計による脳波情報の弁別精度の検討

摘要

近年、Brain Computer Interface（BCI）を日常生活で利用することを念頭においた簡易脳波計測機器が開発·市販され、BCIの日常応用への注目が高まっている。本研究では、簡易脳波計測機器のBCI応用のための基礎的な検討として、簡易脳波計測機器による脳波情報の2値弁別の精度を検討する実験を行った。安定して観測される脳波現象としてよく知られている開閉眼時の後頭部α波帯域パワーの変化を弁別対象として、簡易脳波計測機器と研究用の脳波計測機器により取得した脳波情報から閾値による開閉眼状態弁別を行った。行動下での弁別精度を検討する目的で、着席している状態と、起立運動状態の2つの状況で実験を行った。着席状態での弁別は両機器で同程度に高い正答率を示したが、運動状態では簡易脳波計測機器で弁別正答率が低下する例が見られ、動きによるノイズへの対策の重要性が示唆された。