原子力拡大に向け計画加速の中国

摘要

中国政府は、「第二次五か年」期（二〇〇六～一〇年）の「積極推進」から、「第一二次五か年」期（二〇二～一五年）には「加速発展」に原子力発電政策の舵をとろうとしている。国家発展改革委員会が二〇〇七年二月に公表した「原子力発電中長期発展計画（二〇〇五～二〇年）」は、今のところ、中国の原子力発電開発の拠り所となっている。同計画は、①原子力発電所の建設を積極的に推進する、②自主化、国産化を推進する、③「熱中性子炉－高速増殖炉－核融合炉」路線を堅持する、④一〇〇万キワッロト級加圧水型炉（PWR）の自主設計·自主製造·自主建設·自主運営を実現する、⑤競争入札でコストを削減する－といった原則や方針を示した。また、二〇二〇年までに稼働中の原子力発電所の設備容量を四〇〇〇万キワッロトに拡大するとともに、施設中の設備容量を同年時点で一八〇〇万キワッロトにするとの具体的な目標を掲げた。