世界で進む研究·開発背景、期待、現状や課題

摘要

水素は現在の化学工業原料の用途に加えて、近い将来次のような需要が想定されている。 燃料電池用水素は移動用や定置用の燃料電池の燃料として今後世界的に需要の増大が予想されている。 とくに燃料電池車は二〇一〇年以降急速に増加すると予想される。 石油精製用重質の原油の脱硫、軽質化、精製、さらに燃料のH／C比向上などのために、今後大量の水素が必要になるとの見方がある。 米国では二〇一〇年までに水素需要が約四倍に増加すると見ている。 このように、燃料電池用などのエネルギー·キャリアーとしての需要、石油精製などの原料としての需要などから、二酸化炭素排出抑制と持続的大量供給が可能な原子力水素生産の研究開発が世界的に活発化しっつある。 以下、原子力による水素生産の背景、期待、現状、課題について述べる。