高温超伝導SQUIDを用いた食品内異物検査とDNA診断応用

摘要

輸入食品の増加や残留農薬など、食品を取り巻く環境が変化する中で、食品の安全性が問われている。 また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアーなどで販売される調理済み加工食品が一般化し、パック食品を食する機会が増えている。 これら食品の多くは工場で加工されるが、食材中に異物が含まれている場合や、製造過程で異物が混入してしまうことがあり、これらが大きな問題となっている。 また、近年施行されたPL（製造物責任法）やHACCP（原料から最終製品化までの各加工工程での品質·衛生管理）の影響で、人体にとって、危険性の高い金属異物（刃物や針など）を検出する異物検出装置が求められている。また、バイオテクノロジー分野においてもDNA配列解明後の次のステップとしてその発現機能の解明が注目されており、これについてもSQUIDの応用が可能であると考えられる。本稿においてはこれらについて述べる。