マルチビームアンテナ送信を用いた下りリンク共通制御チャネル送信法の特性評価

摘要

本報告では，W-CDMA下りリンクにおける適応アンテナアレー送信ダイバーシチ(AAA-TD: Adaptiv e Antenna Array Transmit Diversity)を用いる基地局において，マルチビームアンテナ送信を用いた下りリンク共通制御チャネル送信法を提案する．木方法では，共通制御チャネルを個別チャネル用のアレーアンテナと共用して送信するため，共通制御チャネル専用のセクタアンテナおよびRF送信回路が不要になり，共通制御チャネルをアレーアンテナから分散して送信するため，従来のセクタアンテナ送信に比較して1アンテナ当たりの最大送信電力を低減できる．シミュレーション結果より，扇形配置のアレーアンテナを用いた場合，1アンテナ当たりの最大送信電力をセクタアンテナ送信に比較して約4.6dB低減できることを示した．さらに，共通制御チャネルのマルチビームアンテナ送信法を用いることにより，セクタアンテナ送信と同等以上の移動局における受信信号電力対干渉電力比(SIR: Signal-to-interference power ratio) および平均ビット誤り率特性(BER: Bit error rate)を実現できることを示した．