伝送距離の異なる複数の無線通信方式を用いたプロアクティブ型アドホックネットワークルーティングの効率化手法

摘要

将来の車載端末にはセルラーに加え，DSRC (Dedicated Short Range Communication)，無線LAN等の通信機器が一般的に備えられるものと考えられ，大容量無線インターネットアクセス端末としての利用が期待される．これらの機器を用いた固定網への大容量無線アクセスが利用可能なエリアは限ゲ定されるが，これを補完する手法の一つとしてDSRCによりコンテンツを受信した端末が車車間マルチホップ無線通信網を構成し，他の端末にコンテンツを転送するシステムが考えられる．ここで車車間マルチホップ無線通信の経路構築方式にっいては，端末台数が増えても性能のスケーラビリティを確保する必要があるが，端末間直接通信のみを用いる従来のマルチホップ無線通信網の経路構築方式では，一つの方式によってスケーラビリティを確保することは難しい．本稿では，新たな経路構築として，各端末が無線LANとセルラー通信機能を備え，無線LANにおけるリンク状態をセルラー基地局を介して周囲端末にブロードキャストすることにより，経路情報伝達のオーバヘッドを削減する手法を提案する．