LDPC符号の簡易復号法とその離散化密度発展法－δ-Min復号法の離散化密度発展法による特性評価

摘要

高い誤り訂正能力を持つLDPC (Low-Density Parity-Check)符号について，様々な通信システムへの適用を目指す研究開発が進められている．中でも密度発展法とそれを発展させたガウス近似法や離散化密度発展法は，LDPC符号の次数分布に関する議論を加速させた．また，符号化だけでなく，簡易復号法であるMin-Sum復号法などにも応用され，反復閾値（復号限界）の評価やNormalized BP-based復号法とOffset BP-based復号法のパラメートタ設定に有効な手法となっている．本稿では簡易復号法のlつとして提案するδ-Min復号法に離散化密度発展法を適用して復号性能を評価した結果を報告する．δ-Min復号法はSum-Product復号法のような数学関数を必要とせず，劣化量も従来の簡易復号法に比べて小さい特徴がある．また，Normalized BP-based復号法などのように符号に応じて事前に設定するパラメータが必要ないなどの利点もある．δ-Min復号法の離散化密度発展法はSum-Product復号法における行処理の更新式を置き換えることで定義でき，(3,6)正則LDPC符号において11ビット離散化密度発展法で評価したところ，Sum-Product復号法から反復閾値中劣化が0.04[dB]であった．