共有RRHを用いた基地局連携セルラネットワークにおける非線形クラスタ間干渉キヤンセラ

摘要

本稿では，基地局連携セルラネットワークにおいて，連携クラスタ内の基地局がJoint Transmission（JT）を行うだけでなく，他クラスタへの干渉をCoordinated Beamforming（CB）により非線形に除去することでシステム全体の通信路容量を改善する方法を提案する．本方法は，共有Remote Radio Head（RRH）を用いた連携処理を前提としており，ある基地局ユニットBase Station Unit（BSU）が複数のRRHを用いて自クラスタに対してJTするだけでなく，RRHは隣接するクラスタのBSUに共有されている構造を利用して非線形なCBを同時に行うものである．本稿では，提案する非線形クラスタ間干渉キヤンセラの処理手順を数学的に記述し，基地局連携セルラネットワークのシステムレベルシミュレーションを行うことで，クラスタ間干渉キヤンセラが5％アウテージ通信路容量をさらに50％程度改善することを示す．